予防接種とは
予防接種とは、病気に対する免疫機能をつける、またはすでに獲得した免疫機能を強めるために、毒性を弱めたウイルスや細菌(病原体)を前もって投与することを言います。
予防接種を受けることで、病気に対する免疫機能が強化され、感染症の発症や、重症化を予防することができます。また、多くの人が予防接種を受けることで集団免疫効果が発揮され、予防接種を受けられない人たちを感染症から守ることもできます。このように、予防接種には個人と社会の両方を守る働きがあるのです。
予防接種の種類
予防接種には、国が法律で接種することを勧めている「定期接種」と、それ以外の「任意接種」の2種類があります。「定期接種」では決められた回数・間隔・年齢(時期)・場所で受けることで、公費負担(無料)で受けられる場合があります。予防接種法に規定されていない病気や、定期接種のワクチンを対象年齢以外で受ける場合は、「任意接種」となります。接種の費用は基本的に全額自己負担ですが、各自治体の定めた要件を満たす場合、無料もしくは少ない自己負担で接種が受けられる場合があります。
当院で受けられる定期予防接種
小・中学生
日本脳炎(2期)
- 対象年齢
- 9歳以上13歳未満(小学4年生)
- 接種回数
- 1回
ジフテリア・破傷風(二種混合、2期)
- 対象年齢
- 11歳以上13歳未満(小学6年生)
- 接種回数
- 1回
ヒトパピローマウイルス感染症(子宮頸がんワクチン)
- 対象年齢
- 12歳になる年度初日から16歳になる年度末日までの女子(小学6年から高校1年相当)※ヒトパピローマウイルス感染症の予防接種について、積極的勧奨の差し控えにより接種機会を逃した方(平成9年度から18年度生まれ)は、「キャッチアップ接種」として定期接種を受けることができます(令和7年3月まで)。
- 接種回数
- 3回
ヒトパピローマウイルス感染症ワクチンについて
HPVワクチンは、子宮頸がんの原因の一つであるヒトパピローマウイルス(HPV)の感染を予防するためのワクチンです。子宮頸がんの原因のほとんどは、主に性交渉によって感染するHPVであり、性交渉の経験がある人は誰でもHPVに感染する可能性があります。子宮頸がんは女性の病気ですが、男性がこのワクチンを接種することにより、HPVが原因となる中咽頭がん、肛門がん、尖圭コンジローマなどの予防が期待できます。 さらに男性のHPVワクチン接種が広がれば、男性から女性へのHPV感染の可能性が減ります。男女ともにワクチンを接種することで集団免疫効果が高まり、結果的に女性の子宮頚がん発症率が低下するのです。
当院では女性だけでなく、男性へのHPVワクチン接種を推奨しています。ぜひご相談ください。
HPVワクチンの種類
現在日本では、3種類のHPVワクチンが承認されており、対象者は公費での定期接種が可能です。
- 2価ワクチン(サーバリックス®)
- 4価ワクチン(ガーダシル®)
- 9価ワクチン(シルガード9®)
接種の注意点
9価ワクチン(シルガード9®)の場合、初回接種が15歳未満では2回または3回接種、15歳以上では3回接種が必要です。
定期接種のサーバリックス®とガーダシル®は接種スケジュールが異なるため、初回に接種したワクチンと同じ種類のワクチンを必要回数受ける必要があります。
成人
風疹(5期) ※令和7年3月31日まで
- 対象者
- 昭和37年4月2日~昭和54年4月1日生の男性
- 接種回数
- 1回
※対象となる方に郡上市からクーポン券が送付されます。クーポン券を利用して抗体検査を受けていただき、抗体検査の結果十分な量の抗体のない方は、無料で麻疹予防接種を受けていただけます。
肺炎球菌 ※令和6年4月1日から対象年齢が変わりました
- 対象者
-
- 郡上市に住所を有する65歳の方(65歳の誕生日の前日から66歳の誕生日の前日まで)
- 満60歳以上65歳未満の方で、「心臓機能障害1級」、「腎臓機能障害1級」、「呼吸器機能障害1級」、「ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害」の身体障害者手帳をお持ちの方
- 過去にこのワクチンの接種を受けたことがある方は対象外となります。
- 接種回数
- 1回
- 接種費用
- 自己負担金3,000円
高齢者インフルエンザワクチン
- 対象者
-
- 接種時に65歳以上の方
- 満60歳以上65歳未満の方で、「心臓機能障害1級」、「腎臓機能障害1級」、「呼吸器機能障害1級」、「ヒト免疫不全ウィルスによる免疫機能障害」の身体障害者手帳をお持ちの方
- 接種回数
- 1回
- 接種費用
- 自己負担金1,500円
当院で受けられる任意予防接種
B型肝炎ワクチン | 6,200円 | |
---|---|---|
肺炎球菌 ワクチン |
PCV13 (プレベナー®) |
11,200円 |
PCV15 (バクニュバンス®) |
11,200円 | |
PPSV23 (ニューモバックス®) |
8,000円 | |
三種混合ワクチン (ジフテリア・百日咳・破傷風) |
5,500円 | |
破傷風ワクチン | 5,000円 | |
麻疹・風疹混合ワクチン | 10,000円 | |
麻疹ワクチン | 6,000円 | |
風疹ワクチン | 6,000円 | |
ムンプス(おたふくかぜ) | 6,000円 | |
水痘ワクチン | 8,000円 | |
帯状疱疹ワクチン (シングリックス®) |
20,000円 | |
日本脳炎ワクチン | 7,200円 | |
インフルエンザワクチン | 3,000円 | |
HPV(ヒトパピローマウィルス)ワクチン | 2価ワクチン (サーバリックス®) |
15,000円 |
4価ワクチン (ガーダシル®) |
15,000円 | |
9価ワクチン (シルガード®) |
27,500円 | |
髄膜炎菌ワクチン | 22,000円 | |
A型肝炎 | 9,000円 |
帯状疱疹
令和6年4月1日から、郡上市による帯状疱疹ワクチンの接種費用の一部助成が始まりました。
帯状疱疹とは、通常体の片側に水疱を伴う発疹が帯状に広がる皮膚の疾患です。強い痛みを伴うことが多く、症状が3~4週間ほど続きます。帯状疱疹の原因は水痘・帯状疱疹ウイルスです。はじめて感染したときは水疱瘡として発症しますが、水疱瘡が治った後もウイルスは体内に潜んでおり、普段は免疫力によってその活動が抑えられています。日本の成人では約9割が水痘・帯状疱疹ウイルスを体内に保有していると考えられています。加齢や疲労、ストレス、病気などによって免疫力が低下すると潜伏していた水痘・帯状疱疹ウイルスが再び活動をはじめ、帯状疱疹を発症します。発症率は50歳以上から急激に高くなり、80歳までに3人に1人が発症するといわれています。そして50歳以上の場合、2割の方が帯状疱疹の皮膚症状が治った後も、何か月も痛みが残る帯状疱疹後神経痛(PHN)に移行するといわれています。また帯状疱疹は再発する病気です。罹患した方の数パーセントが再発するというデータもあり、発症と重症化、さらに再発の予防のためにワクチン接種が重要とされています。
対象者
下記の条件を全て満たす人
- 接種日において郡上市に住民登録のある人
- 接種日に満50歳以上の人
- 過去に郡上市で帯状疱疹予防接種の費用助成を受けたことがない人
帯状疱疹ワクチンの種類と助成金額
帯状疱疹ワクチンは2種類あり、接種方法や回数に違いがあります。どちらのワクチンも郡上市による助成の対象ですが、受けられる回数は生涯に一度限りです。
- 乾燥弱毒性水痘ワクチン「ビケン®」:生ワクチン
- 乾燥組み換え帯状疱疹ワクチン「シングリックス®」:不活化ワクチン
比較表
ビケン®(生ワクチン) | シングリックス®(不活化ワクチン) | |
---|---|---|
接種回数 | 1回 | 2回(初回接種から2か月後に2回目を接種) |
注射方法 | 皮下注射 | 筋肉注射 |
助成金額 | 上限4,000円 | 1回につき上限10,000円(2回まで) ※令和6年3月31日以前に1回接種済の場合は、2回目のみ助成となります |
インフルエンザ
対象者 | 接種回数 | 助成額(上限) |
---|---|---|
小学6年生まで | 2回 | 3,000円(2回目のみ) |
中学1年生~3年生 | 1回 | 1,500円(1回目のみ) |
妊婦 | 1回 | 1,500円(1回目のみ) |
*インフルエンザ以外のワクチン接種をご希望の方は、接種希望日より1週間以上前にご予約の上、ご来院ください。